旧暦の10月は神様達が、来年の収穫や縁結びなどを決めるために出雲に集まりお話し合いをされるので、一般的に、出雲は神在月(かみありづき)、出雲以外は神無月(かんなづき)と言われます。
では、出雲以外の地域は全く神様がいなくなってしまうのかと言うと、そうではなく、ちゃんとお留守番をしてくれている神様がいらっしゃいます。留守神(るすがみ)様と言って神々が出雲に集合している間、家や村にとどまって守って下さるという神様です。なかでも有名なのは恵比寿様や、東日本では大黒様、西日本では金毘羅様、他には道祖神様や荒神様です。
・恵比寿様
釣竿を片手に鯛を抱えていることから、古くは大漁の神様としてきましたが、商売繁盛や田んぼの神様としても祭られることもあります。
・大黒様
出雲大社の神様、大国主命(おおくにぬしのみこと)と同一神とされる信仰もあり、本来出雲にいらっしゃる神様が神様不在の家々を守ると言うのは辻褄が合いませんが細かなことは気にしないのが神様の流儀なのでしょう。
・金毘羅様
元は香川県象頭山の山岳信仰と修験道が融合した神仏習合の神様です。航海の神、船の神として、漁業や航海にかかわる人達に厚く信仰されてきました。
・道祖神様
峠や社・村境の道端にあり、悪霊や疫病などを防ぐ神様です。
・荒神様
民間信仰の神様で竃など火を使うところに火の神として祭られる三宝荒神と屋敷・同族地域を守る地荒神及び、牛馬の守護神としての荒神にわけられます。
地方によっても様々ですが、10月の間はこの神々によって守られています。なお、補足ですが、そもそも出雲に集まる神々は国津神(くにつかみ)で、高天原にいらっしゃる天照大神を代表とする天津神(あまつかみ)は出雲にはいらっしゃいません。人だけではなく神様の間にも派閥があるようです。
かよわい人の身としてはどちらの神様でも良いので、「とりあえずはコロナを収束させて下さい」と願うばかりです。
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